読書感想⑤「たゆたえども沈まず」(原田マハ)
2018年本屋大賞4位になった原田マハさんのアート小説「たゆたえども沈まず」
「楽園のカンヴァス」を以前読んだことがあり気になっていた一冊。
ゴッホ兄弟の生涯について、実在した林忠正という画商と、この作品用に原田マハが登場させる架空の人物、加納重吉の視点から物語(史実に基づく部分もあるが、フィクション)が展開される。
ゴッホというと、
「下手くそ?」
「どうしてあんなに高いの?」
「何を書いているかよくわかならい」
・・・・・・
といったイメージを持たれている方も多いと思われる。拙者もそうです。
当時(19世紀末~20世紀初頭)の人々も同様です。
では、どうしてゴッホは現在のような評価を受けているのか
その答えは「芸術とは創造であり、これまでにないものを生み出す営みであり、ゴッホの作品が芸術であったから」だと思います。
大衆に迎合せず、命を芸術に注いだ男達の生き様に胸が熱くなるとともに、芸術に限らず、人間の営みには素敵な物語があることを感じさせてくれる素晴らしい作品だと思います。
少しボリュームはありますが(400P くらい)、とってもお勧めの一冊です。